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高地農業とジャガイモ尽くしのペルー農業

日本から遥か遠く離れた地、ジャガイモの原産国としても知られるペルーという国ではどのような農業が行われているのでしょうか?

ペルーの自然条件、地形条件は多様性に富んでいてその条件は様々な為、農業用用地としてのポテンシャルでみると耕地可能な面積は全国土面積の約6%しかありません。
決して農業を行うにあたって条件が良いとは言えません。

ペルーの農業地帯は3つに分けられる
南北にアンデス山脈が縦断しているペルーでは、アンデス山脈を境に3つの地域に分かれます。
アンデス山脈の西側に広がる海岸地帯―コスタ。国土の約10%。
中央の山岳地帯―シエラ。国土の約30%。
東側の熱帯雨林地帯―セルバ。国土の約60%。
今回は、この中の山岳地帯・シエラについて紹介をしていきたいと思います。

山岳地帯・シエラ
国土の約30%を占めるシエラは標高によって幾つかの地域に細分化されます。
標高差による多様な生態環境が存在し、それに応じて栽培される農作物も多様性に富んでいます。
なかでも、標高2,500m~3,500mまでのケチュア帯ではトウモロコシ、ジャガイモ、豆類、麦類が生産されています。
ケチュアを越えると3,500m~4,000mのスニと呼ばれる不毛地帯になります。
標高が高くなるにつれ平地が少なくなり、急な山の斜面に段々畑が広がる。
マチュピチュ遺跡を上から眺める事の出来るワイナピチュ山の頂上付近にも段々畑が見られます。
この一帯の山々の斜面には多くの段々畑の姿があり、そこでジャガイモ等が栽培されています。
全体の8割のジャガイモがこのシエラで栽培されています。

ジャガイモ・収穫
(出典:ナショナルジオグラフィック)

インカの先人が築いたマチュピチュの段々畑
シエラに属し「空中都市」と呼ばれ、インカ最後の聖域と言われる世界遺産・マチュピチュ遺跡の片側にある急斜面にも段々畑が残っています。


マチュピチュ
(出典:freepik)

傾斜地の前面に石を積み上げて壁を作り、別の土地から耕作土を運んで水平に近い階段状の耕地を造成しました。
また、この段々畑には灌漑設備が整備されていました。
それにしても、雨季の降雨量の多いこの地で積み上げられた石積みが500年もの間崩れないで残っているのは凄い事です。
インカの先人達の技術の高さを証明しています。
しかし何故、平坦地ではなく多くの労力、時間、そして技術が必要なこのような階段耕地を造成したのでしょうか?
その理由は、霜害だといわれています。
アンデスでは霜が降り、農作物に多大な被害をもたらします。
このような被害から守る為に、インカの人々は知恵を使いこのような形状の耕地を築きました。
また、降雨による土壌浸食を減らす事ができ、排水性も良かったようです。

ジャガイモの始まり
約1万年前にチチカカ湖の地域(現在のボリビアとペルーの国境地域)で初めて栽培されたと推定され、最初のジャガイモである馬鈴薯は、約7千年前には栽培されていました。
アンデス地域の農民が、食用に適した野生のイモを探し、徐々に品種改良に成功したと言われています。

5月30日はジャガイモの日
首都リマでは「ジャガイモ祭り」が毎年5月30日に開催されています。
100種類もの日本では見たことのない珍しいジャガイモが展示されたりと、町はジャガイモ一色ムード。
色、形、大きさは全て違い、その一つ一つにキチンと名前が付けられています。
また、ワサワシ村という所では450種類ものジャガイモが栽培されているそうです。
ジャガイモ一つにこれ程の種類がある事とは、ただただ驚きです。
さすがはジャガイモ原産国のペルーです。

長旅をしてきたジャガイモ
ジャガタライモと呼ばれ、昔はジャカトラと呼ばれたインドネシアのジャカルタからオランダ人が長崎に持ってきたのは有名な話ではありますが、話にはまだ先があります。
ジャカルタにはオランダから、オランダにはスペインから運ばれました。
そして、スペインにはペルーから、インカ帝国を征服したスペインの兵士達が持ち帰りました。
地球の裏側ペルーからの長旅の末、日本の食卓に並ぶ事になったジャガイモ一つをとってみても、このような歴史があって今ここにあるというわけですね。

(文・江原直明)

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