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登山好きの男性の方必見!「ビートジュース」で高山病を予防可能に

エネルギッシュな体育会系の男性の趣味の定番と言えば、登山ではないでしょうか。ここでは、ノルウェー科学技術大学のスヴェイン・エリック・ガウスタッド博士によって提案された、登山を趣味としている男性の方にオススメのアイテムを紹介したいと思います。


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出典:pixabay


登山時に現れる頭痛や吐き気などの症状って?


高い山を登った時に催されるのが頭痛や吐き気などの症状です。俗に「高山病」と呼ばれるものであり、標高の高いところでは気圧が下がるため、そのような症状が出るものと考えられています。二日酔いの症状に似ていることから、一部の専門家の間では「山酔い」とも呼ばれています。

高山病は血中の酸素濃度が下がることで引き起こされます。よって、高山病にならないようにするためには、腹式呼吸で酸素をたくさん取り込み、取り込んだ酸素を消費しないよう、ゆっくりとしたペースで歩くことが大切です。

標高の高い山でしばしば酸欠状態に陥りやすいという人は、血中ヘモグロビン量が少ない傾向にあります。ヘモグロビンとは酸素を運ぶ赤血球を構成する主要成分を言います。身体に酸素を効率よく取り込むために、ヘモグロビンを増やす鉄分を積極的に摂取するのも一つの手です。


高山病対策にはビートジュース!


そして今回、新たな高山病対策として、ノルウェー科学技術大学のスヴェイン・エリック・ガウスタッド博士によって提案されたのがビートジュースです。


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出典:pixabay


ビートジュースに使用されるビートと言えば、ロシア料理には欠かせない根菜。表面のみならず、芯まで真っ赤にする成分の正体とは硝酸塩です。

同大学の研究者らは、ネパールの山岳地帯へトレッキングをしに行った健康な被験者11名を対象に、トレッキングを始める前、標高1370メートルの地点において「血流依存性血管拡張反応値(以下、「FMD値」)」を測定。ちなみに、血流依存性血管拡張反応値とは、血管機能の状態を表す数値を指します。そして、標高3700メートルの地点に到達後、高濃度の硝酸塩を含むビートジュースを飲ませたところ、FMD値はトレッキング前に近い状態まで回復しました。一方、硝酸塩を取り除いたビートジュースを飲ませても血管に変化は見られませんでした。本研究内容は、生化学専門誌「Nitric Oxide: Biology and Chemistry」に掲載されています。

同様の研究は以前、英国のクイーンズ・メアリー大学の研究者によっても報告されています。高血圧患者に硝酸塩を含むビートジュースまたは硝酸塩を除去したビートジュースを飲ませたところ、硝酸塩を含むビートジュースを飲ませた高血圧患者の血圧に大幅な改善が認められました。一方、硝酸塩を除去したビートジュースを飲ませた患者の血圧には変化が見られませんでした。

追記:


後者のクイーンズ・メアリー大学の研究では、1ヶ月以上ビートジュースを摂取した場合の効果については確認されていません。ビートジュースに含まれる色素の影響で尿や便の色が変化することを踏まえると、長期的な摂取には向いていないのかもしれません。


(文・大澤法子)

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