昨今、働く環境を取り巻く状況は劇的に変化しました。労働人口の減少に伴う採用難が深刻化する中で、企業が優秀な人材を確保し、定着させるための施策はこれまで以上に重要視されています。
その中でも注目を集めているのが、福利厚生の充実です。かつての福利厚生は「あれば望ましい付加価値」という位置付けでした。しかし現在は、求職者が企業を選ぶ際の重要な指標となっており、従業員からも実効性のあるサポートが強く求められています。
特に昨今の物価高騰を受け、月々の給与を直接上げる「定期昇給」に加え、生活コストの負担を軽減する福利厚生は「第三の賃上げ」として大きな期待が寄せられています。手取り額を実質的に増やす効果がある食事補助や住宅支援などは、従業員の生活を守る直接的な支援となります。また、こうした企業の姿勢は「従業員を大切にしている」というメッセージとして伝わり、エンゲージメントの向上にも寄与します。
本記事では、現代のニーズに合致した福利厚生のトレンドと、導入の負担を抑えつつ効果を発揮する具体的なサービスを紹介します。
福利厚生の充実には多くのメリットがある

福利厚生を整えることは、単なるコストの支出ではありません。企業経営における戦略的な投資として、以下のような多角的なメリットをもたらすでしょう。
・採用力の強化
他社との差別化要因となり、求職者に対する自社の魅力を高めます。
・離職率の低下と定着率の向上
従業員の満足度が高まることで、長期間安心して働ける環境が整います。
・従業員の健康維持(健康経営の推進)
心身の健康をサポートすることで、欠勤率の低下やパフォーマンスの向上が見込めます。
・企業イメージの向上
「従業員想いの企業」としてのブランドが確立され、社会的信用が増します。
・節税効果
一定の要件を満たすことで、福利厚生費として経費計上でき、法人税などの負担軽減につながる場合があります。
福利厚生の導入は「福利厚生サービス」の活用がおすすめ
日本企業のほとんどが中小企業であることを考慮すると、福利厚生を導入するたいていの企業では、担当者が従来の業務と兼務することになるでしょう。そうすると、担当者は福利厚生の関連業務に相応の時間を割く必要があり、複数のサービスを導入しようとすれば、さらに時間を要します。
そこでおすすめなのが、「福利厚生サービス」の活用です。
「福利厚生サービス」は、企業が自社で運営する福利厚生とは異なり、専門企業にすべての関連業務をアウトソーシングできます。まさに人手不足で福利厚生を充実させたい中小企業にこそ、おすすめのサービスです。
福利厚生サービスを活用するメリットは大きく3つあります。
福利厚生を運営する負担が軽減できる
自社で独自の福利厚生を運用する場合、メニューの開拓、提携先との契約、利用実績の管理、そして従業員への周知など、多岐にわたる業務を人事・労務担当者が担わなければなりません。しかし、外部サービスを導入すれば、こうした実務の大部分をアウトソーシングできるでしょう。
特に複数の拠点を展開している企業の場合、地域ごとに均質なサービスを提供するのは困難を極めます。福利厚生サービスを介することで、どの場所に勤務していても等しく恩恵を受けられる仕組みが構築でき、社内格差の解消にもつながります。担当者は煩雑な事務作業から解放され、より本質的な組織課題の解決や制度設計といった戦略的な業務に時間を割けるようになるでしょう。
豊富なバリエーションがあり福利厚生を充実できる
2つ目のメリットは、豊富なバリエーションがあり福利厚生を充実できることです。
自社で整えようとすれば、担当者の作業時間に加え、企業の運営方針や予算などの制限があります。
このような場合も、福利厚生サービスがおすすめです。
専門企業によるアウトソーシングはバリエーションも豊富ですし、各従業員のニーズに合わせてサービスを選定できます。
コスト削減につながる
コスト削減につながるのも、メリットの1つです。
福利厚生を新たに導入すれば、当然、経費がかかります。
担当者にかかる人的・時間的なコストや提携先企業からの導入費はもちろん、複数のサービスを導入する場合は、それぞれに発生するコストも考慮に入れなければなりません。
その点、大規模な福利厚生サービスの多くは、代行業者が各サービスに対し大口契約を締結しています。
なかには、1従業員につき1回数百円で利用できるものもありますので、余計な経費をかけたくないという企業にもおすすめです。
注目の福利厚生サービス「設置型社食」
近年、多くの企業で注目されている福利厚生の1つが「食事補助」です。そのなかでも特に手軽で導入しやすいとして注目を集めているのが「設置型社食」というサービスです。オフィス内に専用の冷蔵庫や自販機、棚などを設置し、そこに惣菜や弁当、軽食などが定期的に届けられる仕組みです。従業員は、社外の飲食店に出向く手間を省け、オフィス内でいつでも手軽に食事を購入できます。
設置型社食の大きな特徴は、従来の社員食堂のように広い厨房スペースや多額の設備投資を必要としない点です。小規模なオフィスであっても、冷蔵庫を置く程度のスペースがあれば、比較的短期間で食事補助の環境を整えられます。また、設置場所や運用方法によっては24時間利用できるため、交代制勤務の職場や残業が多い部署の従業員にとっても心強い存在となるでしょう。
健康的でおいしい食事を手頃な価格で提供する取り組みは、従業員の体調管理やモチベーション維持、さらには社内コミュニケーションの活性化にもつながります。
設置型の健康社食「OFFICE DE YASAI(オフィスでやさい)」

「食の福利厚生」の中でも、特におすすめのサービスが、設置型の健康社食「OFFICE DE YASAI(オフィスでやさい)」です。
社員食堂を新しくオフィス内に設置すると、手間やコストがかかります。売店はバラエティに限界がありますし、購入するための列に並んで昼休みの大半を費やす可能性も高いでしょう。その点、本サービスは、オフィス内のスペースに専用の冷蔵庫や電子レンジを設置するだけで手軽に始められるのでおすすめです。
この「OFFICE DE YASAI(オフィスでやさい)」には、2種類のプランがあります。
「やさいプラン(冷蔵)」は、新鮮な野菜を使用したサラダやフルーツ、お惣菜、ドリンク類を中心とするプランで、軽めの昼食や朝食を取り損ねた時などにおすすめです。150個プランの場合、企業負担額は1ヶ月あたり60,000円~(税別)で、従業員は1個あたり税込100円(税込)から購入できます。現代人に不足しがちなミネラルやビタミンなどの栄養素を手軽にとれるため、「健康経営」を推進したい企業にもおすすめのプランです。
「ごはんプラン(冷凍)」は、管理栄養士の監修のもとに考案された主菜や副菜を自由に組み合わせることができ、専用の電子レンジを利用すれば、オフィス内で温かい食事をとることができます。肉料理や魚料理、ごはんものなどメニューも豊富ですので、しっかりした食事をとりたいときにおすすめです。本プランを導入する場合は、80個セットの月ごとの企業負担額は30,000円~(税別)、従業員の利用額は、1個あたり100円(税込)から購入できます。
どちらのプランも従業員の負担が少なく、バラエティに富み、新鮮で安全な食材にこだわっているところもおすすめのポイントです。
導入事例をチェック
実際に設置型社食を導入した企業では、従業員の朝食摂取率の向上や、社内ランチでの会話の増加といった成果が紹介されています。また、採用活動において「健康経営に力を入れている企業」として、採用活動でのアピール材料になっているという声も聞かれます。
自社での活用イメージをより具体的に膨らませるために、実際の導入事例ページを確認し、他社での成功ストーリーを参考にしてみてください。
OFFICE DE YASAI(オフィスでやさい)の導入事例はこちら
人気の福利厚生ジャンルとおすすめサービスを紹介

福利厚生サービスのアウトソーシングは、手続きにかかる負担を減らしたい、豊富なバリエーションから選びたい、導入コストを抑えたいという企業におすすめです。
ここでは、前述の食に関する福利厚生の他に、人気の福利厚生ジャンルとおすすめサービスをご紹介します。
健康診断に関する福利厚生
「健康診断に関する福利厚生」も、おすすめのサービスです。昨今は、労働安全衛生法により「健康診断の実施」が義務付けられていることから、健診費用の一部または全額を負担する企業も増えています。
従業員の健康チェックは、自社の労働生産性を維持するためにも重要です。
しかし、健康診断の実施には、従業員への告知・日程調整や費用の精算・労働基準監督署への報告など細かい業務があり、企業の負担になるケースも少なくありません。そんな健康診断も、福利厚生サービスの活用をおすすめします。
リロクラブ「健康診断代行サービス」
「リロクラブ」は、株式会社リロクラブの提供する健康診断代行サービスで、企業の従業員は自分の予定に合わせて健診を予約し、専用のウェブページから受診券を発行できます。
また、マイページにアクセスすれば、いつでも過去の健診結果を確認できますので、紙ベースで結果を保存する必要はありません。
日程の調整も「健診システム」で行えるので、各従業員が健康診断を受診する医療機関を探したり、予約したりする手間や時間を省略できます。
一方、企業側は、従業員の受診状況を一括管理できるため、未受診の従業員の選定や受診を促すメール送信などを容易に行えます。
労働基準監督署への報告は専用のウェブページから簡単に出力でき、補助申請や請求・精算などの業務をアウトソーシングできるところも、おすすめのポイントです。
健康管理に関する福利厚生
「健康管理に関する福利厚生」も、おすすめしたいサービスの1つです。
日本では、2015年12月より、50人以上の従業員が所属する企業に対し、毎年1回のストレスチェックが義務化されています。
また、「健康経営」を奨励する企業の場合には、従業員が心身ともに健やかでいられるよう、健康管理をサポートする必要もあるでしょう。
この「健康管理に関する福利厚生」も、アウトソーシングがおすすめです。
バリューHR
「バリューHR」は、株式会社バリューHRの提供する健康管理に関する福利厚生サービスです。
健康診断の代行に加え、企業や健康保険組合を中心に幅広く健康管理サービスを提供しています。
具体的には、健康診断の代行に加え、生活習慣病アンケート・ストレスチェック結果などを一元的に管理する健診結果管理システムの提供や、従業員が健康の維持・増進に積極的に取り組んだ際にポイントを付与するカフェテリアプランなどです。
なかには、企業がポイントを付与し、従業員の生活習慣に対する意識を高められる「生活習慣バージョンアップチャレンジ/くうねるあるく+ふせぐ」というユニークなサービスもあります。
同サービスは、高血圧や糖尿病など生活習慣病の罹患リスクを低減するための健康教育サービスで、従業員が自分で健康を作る「健康リテラシー」の向上を目的とする学習ツールのことです。
毎日日替わりでストレッチ動画や動画セミナーの内容が配信され、動画を見て回答したり、歩く歩数を達成したりするとポイントが付与されます。
同サービスは、ポイントをアマゾンのギフトカードなどに交換できたり、従業員がゲーム感覚で参加できたりするところもおすすめです。
レジャー・休暇に関する福利厚生
「レジャー・休暇に関する福利厚生」もおすすめのサービスです。
企業にとって、従業員が余暇にリフレッシュできるよう配慮することは重要ですよね。
レジャーや休暇で日頃の疲れを癒やし、充実した時間を過ごせれば、従業員の企業満足度も高まるでしょう。
セラヴィリゾート泉郷
「セラヴィリゾート泉郷」は、旅行好きの従業員が多い企業におすすめしたい、全国に宿泊施設を保有する福利厚生サービスです。
直営施設や提携施設などが全国規模で展開され、企業は、豊富なプランからオーダーメイドできます。
特に、5つあるチケット型プランは低予算から始められ、シーズン中にチケットを追加購入することも可能です。
企業は、自社従業員の利用状況や予算に合わせてプランを選択できるので、運営面でもおすすめです。
本サービスは、従業員が積極的に活用したくなるような旅行計画に役立つ情報や季節ごとのイベント、宿泊施設の周辺情報が掲載されたガイドブックや会報誌の発行もあります。
予約は会員専用のコールセンターがあり、専用ホームページからのインターネット予約は24時間年中無休ですので、手軽に予約できるところも嬉しいですね。
さまざまなサービスが集まったカフェテリアプランも人気
福利厚生サービスの中で、「さまざまなサービスが集まったカフェテリアプラン」も人気があります。
カフェテリアプランは、低コストでバラエティが豊かな福利厚生を探している企業におすすめです。
WELBOX
「WELBOX」は、株式会社イーウェルが提供し、20代~60代の幅広い年齢層に対応している福利厚生サービスです。
おすすめのポイントは、子育てや介護、宿泊施設などのサービスに割引やカスタマイズを加えることで、企業のメッセージが伝えやすいところです。
従業員はスマートフォンからいつでもどこでも利用でき、グルメ・宿泊・健康・介護・フィットネスなど、複数のカテゴリーから自由に選択できます。
クーポンなどの特典や従業員の家族が利用できるものもありますので、サービスジャンルを拡大したい企業にもおすすめです。
自社に適した福利厚生を選ぶポイントとは?

従業員を満足させるような福利厚生は、アウトソーシングを利用すれば手軽に導入できます。
そんなサービスの中から、自社に適したものを選ぶ際のポイントは、主に3つです。
自社従業員のニーズを確かめる
最初に実施すべきなのは、社内のニーズを正確に把握する作業です。経営陣の思い込みだけでサービスを選んでしまうと、現場の需要と乖離して誰にも使われない制度になりかねません。具体的な調査方法としては、以下のようなアプローチが効果的です。
- 全従業員を対象としたアンケート調査の実施
現在の福利厚生に対する不満点や、今後導入してほしいジャンルを具体的に選択・記述してもらいます。その際、匿名性を確保すると、より本音を引き出しやすくなるでしょう。
- 属性別のサンプルインタビュー
若手社員、子育て世代、管理職など、立場ごとの本音や潜在的な課題を抽出する手法です。ライフステージによって求める支援は異なるため、少人数の座談会形式で声を集める方法が有効です。
- 過去の福利厚生の利用履歴の分析
既存の制度や過去に実施した施策のなかで、何が好まれていたのかを数値化して振り返ります。
集まったデータを年齢層、雇用形態、勤務形態などの属性ごとに分析すれば、自社の従業員が本当に求めている支援の方向性が見えてきます。例えば、若手が多い職場なら自己啓発やレジャー支援、健康管理を重視したい職場なら健康管理の補助といったように、ターゲットを絞り込んだ選定が可能となります。
導入目的を明確にする
福利厚生を導入・刷新する目的をはっきりと定義しておく点も重要です。目的が曖昧なままサービスを選定すると、目新しいメニューに目移りしてしまい、本来解決したかった課題に十分アプローチできなくなります。例えば、以下のように目的を定めます。
- 従業員の健康増進と病気欠勤の防止(健康経営の推進)
- 若手社員の離職率低下とエンゲージメントの向上(定着率の改善)
- 他社との差別化による採用力の強化(優秀な人材の確保)
目的が「健康経営の推進」であれば食事補助や運動支援のサービスが優先されますし、「採用力強化」であれば知名度の高いパッケージサービスやユニークな休暇制度が選択肢に挙がります。軸を固定すれば、選定のブレを防げるでしょう。また、導入後にどのような状態を目指すのか、具体的な目標数値を設定しておくと、後の効果検証がスムーズになるでしょう。
誰もが使いやすいものを選ぶ
一部の従業員しか恩恵を受けられないサービスは、社内の不公平感を生み出す原因になります。利用のための申請手続きが複雑すぎたり、スマートフォンの操作に不慣れな従業員が使えなかったりするシステムも、利用率が低迷する要因です。選定の際は、以下の利便性をチェックしてください。
- 操作性の良さ
専用アプリやWEBサイトから直感的に申し込める設計であるかを確認します。ログインの手間や申請フォームの分かりやすさを、デモ画面などで事前に試しておくのが賢明です。
- アクセスのしやすさ
リモートワークや外回り、店舗勤務の従業員でも平等に利用できるかがポイントです。オフィス勤務者に有利な内容ばかりになっていないか、全体の勤務形態を考慮する必要があります。
- 利用要件の低さ
特別な条件がなく、パートやアルバイトも含めて手軽に使えるかを評価します。
従業員が日常的にストレスなく活用できる仕組みを選ぶことが、福利厚生を成功させるための鍵となります。ここで、社内の不公平感をなくすために考慮すべき勤務形態ごとのチェックポイントを表にまとめました。
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勤務形態・属性 |
発生しやすい不公平感 |
解決のための選定視点 |
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在宅勤務・リモートワーカー |
オフィスの設備(食堂や置き型サービスなど)を利用できない |
自宅や近くの店舗で使えるクーポンや配送型のサービスを検討する |
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現場・店舗勤務(外回りなど) |
パソコンを開く時間がなく、WEBからの申請が難しい |
スマートフォンアプリで完結する手軽なシステムを選ぶ |
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非正規雇用(パート・アルバイト) |
正社員向けの制度が多く、自分が対象外になっている |
雇用形態を問わず一律で付与できるパッケージや食事補助を取り入れる |
まとめ
物価の上昇が続く現在の社会情勢において、企業が従業員の生活をどのように守り、支えていくかという姿勢は、かつてないほど厳しく問われています。
採用市場における競争が激化し、人材の流動性が高まる中で、給与という直接的な報酬だけでなく、福利厚生を通じた「目に見える支援」を充実させることが、優秀な人材の獲得と定着には欠かせません。
また、リモートワークと対面勤務を組み合わせたハイブリッドな働き方が広がる中、出社回帰を促すための施策として、オフィス環境の整備や食事支援を取り入れる企業も増えています。
職場に行くことで得られるメリットを創出することは、帰属意識を高め、社内コミュニケーションを活性化させる原動力になります。
企業の持続的な成長を実現するためには、従業員が健康で、心理的な安全性を感じながら仕事に打ち込める土壌が必要です。
現在の自社が抱える課題が「離職の防止」なのか「採用力の強化」なのか、あるいは「エンゲージメントの向上」なのかを明確に定義した上で、今回紹介したような外部サービスを賢く活用し、時代に即した福利厚生制度を構築してください。
一歩踏み出した支援が、結果として組織全体の生産性を高め、強固な経営基盤を築くことにつながるでしょう。
手軽に導入できる健康社食で福利厚生を充実!
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